15.12.26

喜八の出来事 100

先日の打合せの際に、このお客様にとって何案目かのプランを提示したところ「次々にアイディアが沸いてきて、まるでドラえもんのようだ」とお褒めの言葉をいただきました。
これまでも既存の建物を改修する方向で一案。その後新築案で一案。更には予算の変更などに伴い一案…。と、様々な理由でいくつかのプランを提示することとなり、冒頭の嬉しい言葉をいただいたというわけですが、今回に限らず複数の案をお示しすることになるのが常でもあります。
勿論ドラえもんのような軽やかさでポケットから次々と際限なくアイディアが浮かぶわけもなく、敷地の条件や予算、ご家族の要望などを加味しつつオンリーワンの家づくりへの設計プランを生み出すというのは自分にとっては絞り出すというような感覚で、そんなに簡単なことではありません(勿論、才能溢れる方はそれこそドラえもんのように…なのかもしれませんが)。
それでも、この絞り出す過程が最も楽しい時間でもあります。
この時間は住宅を「間取り」ではなく快適な「住空間」とするために必要であり、無数の可能性を秘めたこの段階で、その可能性と格闘することこそが設計の醍醐味だと思えるのです。
そのプランがすべて受入れられるということでもありませんが、クライアントや工務店、更には構造・設備設計の方々とチームで作り上げる日々をこれからも地道に重ねてゆきたいと改めて思うのです。
 喜八の出来事も100回目のフシメ。2015年の最後に少々決意めいた内容で。
本年も大変お世話になりました。みなさま良い年をお迎えください。
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