札幌以外のマチからも続々と桜の開花のニュースが届き、本格的な春を実感します。
花壇のチューリップもとりどりの色で咲き乱れています。
ちょっと郊外へ車を走らせると新緑が芽吹いている木々が心地良く、郭公の鳴声も聞こえてきます。
北海道は、本当に心地良い季節を迎えました。
新緑のなかを走りぬけ、北広島の黒い森美術館で開催されている盆栽家・君島信博さんの「10種の鉢と草木の盆栽展」に行って来ました。
君島さんの展覧会はこれまでにも幾度かお邪魔していますが、盆栽の静かな美しさとやさしさ、そして時に力強さを感じ、展示空間も含めたその完成度に敬服します。
今回は彼が個展の際にはいつも器を依頼するという小樽・忍路(おしょろ)の陶芸家・高田義一さんの器と盆栽のコラボレーション。
今回の展示のために特別につくられた器と、その器に最良と考えられる草木の姿の妙。
会場で目にした君島さんの言葉が印象的でした。
「盆栽に鉢合わせという言葉があります。歳月を掛けて盆養された草木と盆栽鉢との取り合わせで、形や大きさ、色彩などの調和を生み出す作業のことです。」
この考え方は、新たな建築と既にある風土(景観や土地の特徴)をつなぎ、魅力的な建築をつくりたいと願う私たちのそれと非常に近いものがあると感じられ、この想いを噛みしめながらしばし静かに10種の鉢と向き合う時間となりました。
展覧会は今月23日まで。ただし、開館は月・火・水曜のみですのでご注意ください。
12.05.13