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11.12.23
喜八の出来事 33
日々起こるさまざまな出来事の中で、あたたかい気持ちになった近頃の出来事をふたつ。
ひとつは喜八での12月の定番。
エグヴィヴのシュトーレンが届いて美味しくいただいていること。
小樽市忍路(おしょろ)にあるお気に入りのパン屋(エグヴィヴ)さんが、この季節限定で予約販売しているドイツのクリスマス菓子シュトーレン。
ここのパンはいつ食べても食べるたびに感激してしまうのですが、このシュトーレンも予約するのをうっかり忘れて遅くなると売切れてしまうレアもので、年に1度のお楽しみです。
味はもちろんのこと、そのラッピングがいつも素晴らしく箱を空けた瞬間から喜びは最高潮。その素晴らしさを言葉で表現するのは難しいのですが、2月まで賞味期限があるこのお菓子を薄くスライスして食べていると、金太郎飴さながらに、どこを切っても、どこまで切っても美味しさと真心が隅々にまで浸透しているような美味しさを実感できるのです。
もうひとつは、1年前に入籍したスタッフの結婚披露パーティー。幸せ溢れる素敵な時間でした。
お幸せに!
11.11.30
喜八の出来事 32
今日は札幌も朝から雪。11月も今日で終わり。とうとう本格的な雪の季節の到来なのでしょうか?
喜八では数週間前から冬に備えて窓を塞ぎました。改修時に新たに取り付けた1ヶ所のトリプル窓を除いては建て付けも悪く外気が素通しになってしまうので、その窓を簡易的に塞いで外気の進入を防ぐのです。...こうなると必然的に光も遮断され、この時期から数ヶ月、喜八は少々暗い雰囲気になってしまいます。
そんな私たちの日常に新しい仲間が。
その名も「ジャック」。先日まかない料理の鍋に入れた「豆苗」です。ザクッと切って残りは「ポイ」となるはずが、袋をよく見ると水を交換しつつ1週間から10日くらいで、新たな豆苗に生長すると書いてあります。
さぁ、それからが大変です。
数少ない窓辺に置くと光のほうにクゥ~ッと頭を伸ばし、反対に向けてもわずか30分程でまた光に向かってクゥ~ッと。
夜になると蛍光灯に向かって...。
あまりに可愛いそのようすにえんどう豆の苗だから...と命名されたジャック。
でも『ジャックと豆の木』ってことは、ジャックは豆の名前ではなく主人公の少年の名前だね...なんてことを言い合いながら、美味しそうに育つ日を心待ちにしているスタッフ一同です。
11.11.13
喜八の出来事 31
少々唐突な話になりますが、今札幌市内で打合せがあるビルの一角や、駐車場に車を停めて目的地に向かう途中、運転中の道々で、安田侃さんの彫刻に出くわすことがあります。
「彫刻を見に行こう」と意気込んで入館料を払い、心身共に準備万端で向き合う彫刻とは違っていて、いつのときも目的地へ向かう途中に「ばったり」出くわす彫刻たちは、自分の無意識を意識させてくれ、時には「あ、そうだった、そうだった。ここにこうしてあるんだった。ん? 2週間前の時より紅葉が進んだな」とか、そんなことを思わせてくれたり。なかなか不思議な出合いの連続です。
人々が闊歩する地下歩道空間では、彫刻の周辺だけ時間が止まっているような、そんな感覚も抱きます。
先日も久しぶりに道庁赤レンガ前に立ち、すっくとそびえる黒いブロンズの「帰門」とやらを見上げ振り返ると、銀杏の並木から金色に輝く葉がひらひらと降り注ぎ、その並木の向こうにスゥーッと真直ぐな道が東に伸び、札幌の町並みを見渡せる心地がしました。
安田さんご本人がこの展覧会に寄せて「作品によって景観を浮き彫りにする」とおっしゃっていましたが、「ばったり」と同時に味わう新鮮な感覚や改めて感じる町の風景を楽しめるのも、あとわずか。
安田侃の野外彫刻展「街に触れる」は11月20日まで。
11.10.30
喜八の出来事 30
すっかり秋ですね。
喜八ではブロック塀に蔦を這わせたり、家庭菜園を試みたり、緑がそこここに感じられるのですが、なかには写真のように「ニョキッ」と唐突に自主的に生えてきた緑もありまして。
この生命力には今更ながら驚かされます。
そんな緑に手をかけながら、素晴らしい空間を作り続けている「仙人の森」が、リプランのウエブサイト中の「リプランくんが行く!」で3回にわたって紹介されました。
リプランくんが「仙人の森」の豊かな自然のなかで日常の暮らしの一端を体験。
みなさんも森の日常を、是非。
11.10.17
喜八の出来事 29
前回の喜八の出来事で紹介した「美幌の家」。地元の方々の企画で多目的に使われた建物に新たな可能性が感じられ、更なる展開に思いを馳せていたわけですが、その「美幌の家」がJIA主催の第12回 環境建築賞の一次審査を通過し、過日東京都内で二次の公開審査会となりました。
9月30日(金)。北海道から駆けつけた私達には少々蒸し暑かったこの日、住宅部門と一般建築部門、それぞれ5作品ずつの発表。質疑の時間も含めて15分の持ち時間で「長寿命、自然共生、省エネルギー、省資源・循環、継承性などのテーマを通じて、社会資本としての建築を創造することができたか」(趣旨抜粋)という趣旨に合致する特性も含めてプレゼンするなかで、この建物が持つ長所・短所・特性というものが改めて確認できる良い機会でした。
結果はどうだったか? この発表は年明けになるそうです。
11.09.26
喜八の出来事28
9月18日(日)。美幌の家でひらかれたイベントに参加してきました。
-Living ゆるやかな音楽が流れる森のリビング-
というテーマの通り、美幌の家にはここちよい音楽がひろがり、
器や雑貨、CD、食品など、暮らしに根ざしたものたちが販売されていました。
お店は、キッチンや階段下、2階スペースなど
さまざまな場所を使っていて、とても居心地の良い空間でした。
当日は、あいにくの天気にも関わらず、多くの来場者でにぎわっていました。
夜にはロウソクが灯され、おいしい料理を食べながら歌声と音楽に聴き入る
素敵なイベントもひらかれたようです。
一つの機能に縛られず、こうした様々なイベントを行なう場所として存在している
美幌の家に新たな可能性を感じました。
11.09.12
喜八の出来事 27
9月3日(土)。台風の影響もあって、朝から雨が降ったり止んだり、時折陽が射したかと思えば次の瞬間にはどしゃ降りだったり。そんな不安定な天候の土曜日、札幌駅地下通歩行空間・大通りヴィッセ前のスペースでJIAテスクコンペ公開審査が実施され、堀尾が審査員の一人として参加させていただきました。
今回のテーマは3.11の未曾有の大災害を受けて「寒冷地の仮設住宅」。応募26作品のなかからパネル審査で一次審査通過8作品を選び、その後質疑を含めた公開二次審査。パブリックなスペースでの公開審査とあって、一般市民の聴衆も期待しつつ、かなりの長丁場だったこともあり、実態は関係者が主体のコンペとなりました。
活発な意見交換の場面もあり、何よりも、若い応募者にとって意義のある時間にしたいという意気込み(こんな意気込みで参加していたのは、もしかして堀尾だけでしょうか?)が感じられる時間でした。
様々な改善点などはあるにせよ、株式会社テスクのご厚情により3回目を無事に終えられたこと、まずは成功といえる審査だったのではないかと思います。
結果等についての詳細はこちら。
11.08.13
喜八の出来事 26
7月23日(土)と24日(日)の両日、苫小牧市沼ノ端に完成した店舗付(花屋)住宅のオープンハウスを実施しました。
堀尾事務所としては初の苫小牧市物件。地域の方にご覧いただけたら...との思いもありましたが、むしろ札幌などから訪ねてくださる方のほうが多いくらいでした。
約6メートルもの高さをもつ吹き抜け空間と直射光を避けたい花を気遣った北側に採った大きな窓が印象的な店舗部分と、自然素材を活かした壁がアクセントとなっている住宅。あとは住み手の方と呼応しながら良い時間を刻んで欲しいと願うばかりです。
去る8月4日。
新生「花もみじ」も無事にオープン。
花が溢れる空間が、店舗としていよいよ呼吸し始めた瞬間です。
11.07.31
喜八の出来事 25
7月13日。酷暑の東京でホテルオークラを目指します。この日はパッシブデザインコンペの公開二次審査。
応募した「当麻の家」が応募総数288件(住宅部門は148件)のなかから一次審査を通過したのです。
残念ながら入賞とはなりませんでしたが、2009年9月に竣工したこの住宅は、私たちが通常考える機械設備などに頼らない通風・換気などに加え、-25℃にまでも冷え込む厳寒地域にありながら、1台の薪ストーブで過ごせる家を実現することが大きなテーマであり、この特徴的な形もそのテーマを踏まえ空気の通り道をつくった結果の形。
プランを練る段階での初志を再確認しながらプレゼンに挑んだ時間は、自分たちのスタンスを見直す良い機会にもなりました。
先日、見事に住みこなされている「当麻の家」の撮影に同行し、ここで暮らすご家族の自然と寄り添う暮らしそのものが自然と呼応しているだけではなく、建築とも連動していることに静かな喜びがふつふつと...。
環境だけではなく住み手の暮らしに応えることは、私たちの大きなテーマのひとつですから。